したたかな汗/尾崎豊 歌詞

尾崎豊の「したたかな汗」歌詞ページ。
「したたかな汗」は、作詞:Yutaka Ozaki、作曲:TOMIYOです。

「したたかな汗」歌詞

歌:尾崎豊

作詞:Yutaka Ozaki

作曲:TOMIYO

その朝彼はベッドに腹這いになりながら
大きく手を伸ばすと
消え去ってしまった彼女の
温もりを探すことから始めてみた
中途半端に使い古された衣類の上に
太陽の光は静かに散らばっている
彼は ようやく開けた眼に
一番最初に焼きついたそれらが
今日を占うもののように思えたし
いや今日というよりも彼の人生そのものを象徴しうる
一番大切な確かなものに思えてならなかった
山のような労働
こぼれ落ちるしたたかな汗
彼は次に体のあちこちに少しずつ力を配ることを始めた
時々 色々な思いに力がまけてしまいそうになるが
主観性が客観性であることを認識すると
それからまた力を入れてみた
目覚めてから彼は
一度も呼吸を感じなかった
これが死かと思うほど安らかな感覚は
やがて現実というものに嘔吐しながら激しく突き刺さり
腹這いの彼の体が半分に折れ曲がるような苦痛の中
今日に生まれた
次に彼は太陽の光を追いかけることを始めた
跳ね返ったり吸い込まれてしまう太陽の虚像は
彼の頭を混乱させ
彼がいかにのろまで

なんて間の抜けた人間かを
その度に思い起こさせてくれた
笑うことを失ったビルの残像は
幾度も重なり合い
埃のような自分の影を見失いそうになった
彼が15本目のたばこに火をつける頃
太陽は沈みかけた
デコボコな地面に不器用に建てられたビルの陰に
駐車違反の車は飲み込まれてゆく
彼にとってそれらは
自分自身の行方を象徴しているようでならなかった
物が壊れてゆく小さな物音がこだまし
街中に響き渡っていた
彼のかざした手に死がのしかかる
生きるという空しさに涙がこぼれた
おごそかに街の生け贅が捧げられ
太陽は沈んでゆく
人の心の欲望という奴を彼は考える
ほんの少しでも楽な姿勢を取るために
体をくねらせながら
彼は何度も何度も欠伸をした
欠伸をして伸ばした手の先に
しなやかな風をまさぐり
彼には何が始まりで何が終わりなのか
すっかりわからなくなっていた
横たえた体の先には
まだ現実がひかかっていた

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